ロタウイルスワクチンが令和2年10月から定期接種になりました。
定期接種の開始時期
令和2年10月1日から
対象者
令和2年8月1日以降に生まれたお子さん
ロタウイルス胃腸炎とは?
口から侵入したロタウイルスが腸管に感染して発症します。感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても、感染予防をすることが難しいため、乳幼児のうちに、ほとんどの子どもが感染します。下痢や嘔吐は1週間程度で治りますが、下痢、嘔吐が激しくなると、脱水症状を起こす場合もあり、乳幼児の急性胃腸炎の入院の中で、もっとも多い感染症です。一生のうちに何度も感染するウイルスですが、初めてロタウイルスに感染した時は、特に重症化しやすく、まれに脳や腎臓に影響を及ぼすこともあり、注意が必要です。生後、すぐに感染する場合もあるので、ワクチンの接種は、早い時期に完了させます。
ワクチンについて
ロタウイルスワクチンは、2種類あり、どちらも生ワクチン(弱毒化したウイルス)で、飲むワクチンです。接種する医療機関と相談して、どちらかのワクチンを選んでください。2種類とも、効果や安全性に差はありませんが、接種回数が異なりますので、他のワクチンとのスケジュールを考慮して選択します。なお、途中からワクチンの種類を変更することはできませんので、最初に接種したワクチンを2回目以降も接種します。
多くのワクチンの接種が重なる期間ですので、医療機関と相談して、他のワクチン接種と合わせて同時に接種することも検討してください。初回接種は生後2か月から出生14週6日までに接種します。早めに接種を開始し、完了することがすすめられています。
0歳児は月齢が進むと、「腸重積症」という病気にかかりやすくなり、ロタウイルスワクチンの接種を受けることによっても、接種後約1から2週間は、腸重積症のリスクが増すという研究報告もあります。できるだけ腸重積症の起こりにくい時期に接種を受けていただくために、初回接種を出生14週6日までに受けることを推奨しています。出生15週0日以降の初回接種は、おすすめしていません。早めに接種し、完了することがすすめられています。
また、このワクチンは接種期間内に終えることが必要です。長期にわたり療養を必要とする疾病にかかっていたことによる特例措置はありませんのでご注意ください。
なお、このワクチンは、ロタウイルス以外の原因による胃腸炎は予防できません。
ワクチン名 | ロタリックス(1価ワクチン) | ロタテック(5価ワクチン) |
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接種時期 | 出生6週0日から24週0日まで | 出生6週0日から32週0日まで |
どちらのワクチンも、初回接種を生後2か月から出生14週6日までにします。 | ||
接種回数 | 2回接種(27日以上の間隔をあける) | 3回接種(27日以上の間隔をあける) |
予防効果 | どちらのワクチンも有効性は同等と考えられています。ロタウイルス胃腸炎の発症そのものを7から8割減らし、入院するような重症化は、そのほとんどが予防できます。 | |
接種後、特に注意する事 | どちらのワクチンも、接種後(特に1から2週間)は腸重積症の症状に注意し、症状が見られた際には、すみやかに接種した医療機関を受診してください。 |
ワクチンを接種する前
赤ちゃんのおなかがいっぱいだと、上手にワクチンが飲めない場合がありますので、接種前30分ほどは授乳を控えることをすすめます。上手に飲めるよう、医師、看護師の指示に従ってください。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でも、わずかでも呑み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。
ワクチンを接種した後
接種直後は、医療機関で30分ほど様子を見てから帰宅してください。ワクチン接種後2週間ほどは、赤ちゃんの便の中に、ワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後など、ていねいに手を洗ってください。高熱、けいれんなど、異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
腸重積症について
ロタウイルスワクチンの副反応として腸重積があります。
腸重積症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです(下図)。
0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、もともと、3から4か月齢ぐらいから月齢が上がるにつれて多くなります。(下のグラフ)
腸重積症は腸の一部がほかの部分に入り込んでしまう、緊急性の高い病気です。
腸重積症になると、腸が詰まって血液の流れが悪くなることで、腸の組織が死んでしまう(壊死する)ことがあります。
腸重積症になった場合、通常は肛門から腸内に液(造影剤や水など)や空気を入れて元に戻しますが、発症から時間が経つほど(12時間以上など)、腸の壊死のために外科手術になる割合が増えるといわれています。
日本人小児の月齢別腸重積症の患者分布
腸重積症は、3から4か月ぐらいから月齢が上がるにつれて多くなるといわれています。
腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合、手術をせずに治療できます。
以下のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。
- 泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
- 嘔吐を繰り返す
- ぐったりして顔色が悪くなる
- 血便がでる
このような症状に気づいたら、すみやかに接種した医療機関を受診してください。接種した医療機関とは別の医療機関を受診する場合は、このワクチンを接種したことを医師に伝えてください。
接種できない場合
- 明らかに発熱(通常37.5度以上)をしているお子さん
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかなお子さん
- 予防接種の接種液に含まれる成分でアナフィラキシーを起こしたことがあることが明らかなお子さん
- その他、医師が不適当な状態と判断した場合
ロタウイルスワクチンの対象者については、以下のものを接種不適当者として追加されます。
- 腸重積の既往歴のあることが明らかなお子さん
- 先天性消化管障害を有するお子さん(その治療が完了したものを除く。)
- 重症複合型免疫不全症(SCID)の所見が認められるお子さん
副反応が起こった場合の対応
- 定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。
- 健康被害の程度に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。
- ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることができます。
給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、近江八幡市健康推進課へご相談ください。
ロタウイルス感染症の予防接種実施医療機関
近江八幡市内医療機関
どのワクチンが受けられるかは、医療機関にお問い合わせください。
医療機関名 | 連絡先 |
近江八幡市立総合医療センター | 0748-33-3151 |
川端医院 | 0748-33-0153 |
小西医院 | 0748-33-3322 |
杉原医院 | 0748-43-1786 |
たかだ内科医院 | 0748-33-1203 |
ちとせ長命診療所 | 0748-31-0107 |
ともこどもクリニック | 0748-33-5565 |
西川小児科医院 | 0748-33-7601 |
にしはら耳鼻咽喉科 | 0748-38-8714 |
堀江医院 | 0748-34-8131 |
水原医院 | 0748-46-6611 |
山本医院 | 0748-32-3311 |
滋賀県内の「滋賀県予防接種広域化事業」に協力している実施医療機関で接種することができます。事前に申請が必要なため、2週間前までに健康推進課までお問い合わせください。
なお、以下の医療機関については事前の手続きは不要です。
西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック(守山市)
希望ヶ丘クリニック(野洲市)
うえだクリニック(野洲市)
おかもとキッズクリニック(東近江市)
東近江総合医療センター(東近江市)
弓削メディカルクリニック(竜王町)
県外で接種を希望される場合は、事前申請が必要です。接種の1か月前までに健康推進課に申請してください。
この記事に関するお問い合わせ先
子ども健康部 健康推進課(市民保健センター)
〒523-0894 滋賀県近江八幡市中村町25
電話番号:0748-33-4252
ファックス:0748-34-6612
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2020年11月16日