マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱など」に注意しましょう

更新日:2021年10月15日

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エゾウイルス感染症や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱はウイルスを有するマダニに咬まれることことにより感染します。

予防のワクチン等がないため、マダニに咬まれないようにすること、マダニに咬まれた場合は、数日間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

マダニは広くわが国に生息しており、発生時期である春から秋の長い間注意が必要です。

また、野生動物は、どのような病原体を保有しているかわかりません。野生動物との接触は避け、動物の死体等に接触することも控えましょう。動物(ネコやイヌ)を外で飼育している場合は口移しで餌を与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなどは控え、動物に触ったら必ず手洗いを行ってください。動物に付着したマダニは適切に駆除し、飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、咬まれたりなめられたりしないようにして、動物病院を受診してください。

病原体を保菌あるいは感染している動物から、まずは動物、次はダニ、最後にヒトへと感染することがあるため、病原体を保有するダニが生息する地域を特定することはできません。

注釈:マダニは、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3から4ミリメートル)のダニで、家庭内に生息するコナダニ(食品などに発生)、ヒョウダニ(衣類や寝具内に発生)などとは種類が異なります。

エゾウイルス感染症

感染経路

エゾウイルスは、2020年1月北海道において、、マダニと推定される虫による刺咬後に発熱と下肢痛を主訴に受診した患者から検出された新規のオルソナイルウイルスです。別の調査研究においても、エゾウイルスは、北海道における不明熱性患者症例に対する遡及調査(2014から2020年)等により、合計7例の患者の検体から当該ウイルスが検出されたことが報告されているます。

症状

マダニに刺された数日から約2週間後に発熱や筋肉痛などの症状が報告されています。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

感染経路

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する病気です。また、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染しているネコやイヌに咬まれたり、血液や体液に直接触れることで感染する可能性もあります。感染した人の血液や分泌物との直接接触が原因と考えられるヒト-ヒト感染の事例も報告されています。飛沫感染や空気感染の報告はありません。

症状

ダニに咬まれてからの潜伏期間は6から14日で、発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。有効な抗ウイルス薬等による特異的な治療法はなく、対症療法が主体です。

日本紅斑熱

感染経路

「日本紅斑熱リケッチア」を保有するマダニに咬まれることで引き起こされる病気で、ヒトからヒトへの感染はありません。

症状

ダニに咬まれてからの潜伏期は2から8日で、症状は発熱、発疹、刺し口(ダニに刺された部分は赤く腫れ、中心部がかさぶたになる)が特徴的な症状です。紅斑は手足(末端部に多くみられます)やからだに拡がっていきます。紅斑は痒くなったり、痛くなったりすることはありません。症状があれば、早めに医療機関を受診することが大切です。

予防策

マダニに咬まれないようにすることが極めて重要です。

マダニは、主に森林や草地などの野外に生息し、市街地でもみられます。木の葉や草むらの土の表面に生息していますので、農作業、レジャーや庭仕事など、野外で活動する際には、次のようなことに注意して下さい。

  • できるだけ草むらに入らない。
  • 長そで、長ズボンなどできるだけ肌を露出しない。帽子をかぶる。首にタオルを巻く。手袋をする。足を完全に覆う靴を履く。ズボンやシャツの裾などを入れ込んでマダニの入り込みを防ぐ。
  • 草の上に直接座ったり、寝転んだりしない。
  • 脱いだ上着やタオルは、不用意に地面や草の上に置かない。
  • 屋外活動後は、すぐに入浴して体をよく洗い、付着したダニを落とし、衣服は洗濯する(マダニはからだにとりついてすぐに咬むのではなく、からだのやわらかい部位を探して咬む習性があります)。

万一マダニに咬まれたら、マダニを触る、つぶすなどして無理に取り除かず、そのまま皮膚科等医療機関を受診して、取り除いてもらうようにしてください。

ネコ、イヌなどの動物からSFTSウイルスに感染しないようにするためには

  •  動物由来感染症に対する予防の観点からも、動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなど)は控えてください。また、動物に触ったら必ず手を洗いましょう。また、動物に付着したマダニは適切に駆除しましょう。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、咬まれたり舐められたりしないように細心の注意を払いながら、動物病院で診てもらって下さい。ペットがマダニに咬まれないようダニ駆除剤も有効です。獣医師に相談しましょう。
  • 野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。また、動物の死体等に接触することは控えましょう。
  • 体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。

相談窓口

ダニに咬まれた場合や症状に関することなどは、保健所等へご相談ください。

近江八幡市内にお住まいの方

  • 東近江保健所 0748-22-1300
  • 近江八幡市保健センター 0748-33-4252

近江八幡市外にお住いの方

お住まいの地域を管轄する保健所等にご相談ください。

よくある質問

1.マダニに咬まれました。どうしたらいいですか。

症状がない場合は、医療機関への受診は不要です。マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。

2.マダニに咬まれたので検査をしてほしい。

症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。医師が、診察に基づき、検査の必要性を判断されます。症状がない場合は、検査は不要です。

3.マダニが皮膚に吸着しているのを発見しました。どのようにすればよいですか。

無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあります。皮膚科等医療機関でマダニの除去、洗浄などの処置をしてもらってください。

参考

この記事に関するお問い合わせ先

子ども健康部 健康推進課(市民保健センター)
〒523-0894 滋賀県近江八幡市中村町25
電話番号:0748-33-4252
ファックス:0748-34-6612
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