事例集：クーリングオフ

クーリングオフという言葉はかなり消費者の皆さんに浸透してきましたが、その内容については、「スーパーで商品を買ってレシートを持参すれば返品できるサービスと同じ」くらいに思っている人も多いようです。「無条件解除」とはどのようなものか、訪問販売で契約した時のクーリングオフについてご紹介します。

特定商取引法で指定された消耗品（洗剤、化粧品、健康食品、布地など）以外の商品は、使用・消費していてもクーリングオフできます。事業者は損害賠償請求することができませんので、たとえ布団が汚れたり、浄水器のフィルターが目詰まりしたりしていても、そのまま返品すればいいのです。

引渡し済みの商品の引き取り費用は事業者負担になります。従って、着払い返送すればよいのです。

役務（サービス）の提供を受けている場合、商品のように返品することはできませんが、代金の支払義務はありません。

土地・建物その他の工作物の現状が変更された場合は、無償で元に戻すよう請求することができます。また、クーリングオフ期間内であれば、工事が完了していても無条件で契約解除することができます。

クーリングオフは強行規定であり、特定商取引法の内容よりも消費者に不利な特約は無効となります。どのような約束を事業者としていてもクーリングオフはできます。また、事業者が嘘の説明をしたり脅したりしてクーリングオフを妨害した場合、事業者は「クーリングオフ妨害を解消する書面」を交付し内容について説明しなければなりません。この書面を受け取ってから8日間はクーリングオフができ、実質的にはクーリングオフ期間が延長されることになります。

「口頭のクーリングオフも有効」との裁判例もありますが、電話や口頭では証拠が残らないため後で紛争になることがあります。書面で通知するのが確実です。ハガキの両面のコピーを取り、簡易書留や特定記録郵便で出しましょう。

マルチ商法や内職商法ではクーリングオフ期間は20日間あり、内容も若干異なります。また、特定商取引法以外でもクーリングオフ制度のある契約もあります。詳しくは消費生活センターまでお問い合わせください。