近江八幡市犯罪被害者等支援条例

更新日:2020年01月31日

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近江八幡市犯罪被害者等支援条例制定の考え方

本市では、平成12年9月に「安全で安心なまちづくり条例」を制定し、行政、市民、事業者がそれぞれの役割分担をするなかで、これから生活安全基本計画の策定を行い、みんなが安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいこうとしています。

一方、近年の各種事件や報道を見ている限りでは、何の関係もない一般市民が事件に巻き込まれる通り魔的事犯が多発しています。現在、これら犯罪等による被害者や遺族の負う精神的被害につきまては、その深刻さが大きな社会問題となってきております。そのためこれら被害者に対する制度的支援が求められてきています。

国におきましては、昭和55年に「犯罪被害者等給付金支給法」が制定され犯罪行為により不慮の死を遂げた人の遺族等に対しまして、給付金が支給されるという制度ができております。

しかし、突発的な犯罪行為により被害者が受けられる身体的被害や精神的被害につきましての支援策については制度的には未整備であります。

このため、県におきましては平成11年に「滋賀県犯罪被害者支援連絡協議会」が設立され、また県下各地にも被害者や被害に遭われた家族の支援或いは保護するために関係機関、団体等が連携して被害者の多様なニーズに応えていくべき連絡協議会が各警察署管区ごとに設置され活動を展開しているところです。

本市におきましても、平成11年11月に「近江八幡・安土・竜王犯罪被害者支援連絡協議会が設置され関係機関等との連携により活動を展開しているところです。しかしながら、犯罪被害者等の抱える問題は精神的被害を含めて広範囲・多岐にわたっており、各種団体や機関の連携は重要な課題であります。そこで今般、地域全体で犯罪被害者等を支援できる環境つくりに努めるとともに、支援活動を効果的かつ積極的に推進するため、犯罪行為によりケガ等をされた被害者やその家族について、傷害見舞金等を受けられる給付制度を制定し、被害者等の経済的、精神的被害を軽減し、被害者を支援することにより、少しでも犯罪や事故を減らしていこうとするものです。

近江八幡市犯罪被害者等支援条例の解説

目的

第1条この条例は、自らの責めに帰すべき事情がないにもかかわらず、通り魔等による人の生命又は身体を害する犯罪行為により、不幸にして不慮の死を遂げた市民の遺族または傷害を受けた市民を支援することにより、その精神的被害の軽減を図ることを目的とする。

本条は、支援条例の目的について定めたものである。被害者は、その直接的被害だけでなく、結果として生ずる経済的・身体的・精神的等様々な被害を受けており、なかでも精神的な被害は他人から推し量れない程の深刻なものがある。このため、この条例で支給される見舞金は経済的支援とは言い難い性格であることから「精神的被害の軽減のため」とした。条例の内容は、対象となる犯罪被害、傷害の定義を明らかにするとともに、見舞金の種類及び支給要件、見舞金の額、申請等見舞金支給に関し必要な事項を定めており、また、被害者の支援のためのネットワークづくり等、市が行う被害者支援を定めている。

定義

第2条この条例において「犯罪被害」とは日本国内または日本国外にある日本船舶もしくは日本航空機内において行われた人の生命または身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文(緊急避難)、第39条第1項(心神喪失)および第41条(責任年齢)の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第35条(正当行為)または第36条第1項(正当防衛)の規定により罰せられない行為および過失による行為を除く。以下「犯罪行為」という。)による死亡または傷害をいう。

犯罪被害者等給付金支給法第2条に準ずる考え方であり、且つ傷害の項の横だし上乗せ条例とした。
犯罪行為が行われた場所については、刑法第1条に定める国内犯と同じく限定した。
従って市民が外国旅行中に外国の領土内で行われた犯罪行為により死亡した場合等には適用されない。日本国内とは、日本国の領土、領海、領空をいう。犯罪を構成する事実の全部又は一部が日本国内で行われれば、本条例の対象となる。

なお、刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文(緊急避難)、第39条第1項(心神喪失)および第41条(責任年齢~14歳に満たない者の行為)の規定により刑法上罰せられない行為についても、本条例は犯罪の被害者の心身の回復を目指すものであり、加害者を罰することを定める刑法とは法の目的を異にするため、本条例は適用されるものである。
ただし、刑法第35条(正当行為)または第36条第1項(正当防衛)の規定により罰せられない行為および過失については故意の犯罪行為による被害とは同一視できないため対象外とすることが妥当と考え、本条例を適用しないものである。
また、過失犯については原因者負担の原則により責任保険などで救済措置を採ることは可能であり、現にその方向で各種の制度が整備されているところである。しかし、故意による犯罪行為で被害を受けた場合は、過失による場合に比べ被害者等の精神的打撃が大きいことから社会として救済すべきであるとの認識が強く生まれてきているところである。

2この条例において「傷害」とは医師の診断により全治一ヶ月以上の加療を要するものをいう。
犯罪被害者等給付金支給法にいう重障害とは、負傷又は疾病が治ったとき(その症状が固定したときを含む)における身体上の障害で、政令で定める程度(第1級から第4級)のものをいう。しかし、これらの重障害については支給額は高いものの適用範囲が狭く、例えば瀕死の重傷を負っても治療の結果回復した場合は対象外となり、負傷と同時に治療費や入院で経済的負担を強いられていても被害者等への早期の支給は困難である。従って、本条例では、自治体の見舞金という趣旨から医師等の診断書に基づく傷害であれば見舞金として支給するというものである。

3この条例において「市民」とは、犯罪被害を受けた者が、本市において住所を有する被害者又は遺族(これらの者のうち当該犯罪の原因となった犯罪行為が行われたときにおいて、日本国籍を有せず、かつ近江八幡市内に住所を有しない者を除く)をいう。

犯罪被害者等給付金支給法においては、「日本国籍を有する者又は日本国内に住所を有する者」について支給の対象となり、外国籍であっても被害当時日本国内に住所を有していた者については対象としている。よって本条例においても法に準じて対象とするものである。

ただし

  • 本市に住民登録をしている者が死亡し、その遺族が本市に住所を有していない場合は支給を受けることができない。
  • 本市において外国人登録をしている者が傷害を負った場合は支給を受けることができる。
  • 本市において外国人登録をしている者が死亡し、その遺族が本市において外国人登録をしている場合は支給を受けることができる。ただしその遺族が被害時点で、本市に外国人登録をしていない場合、当該遺族は支給を受けることができない。

見舞金の支給

第3条市は、犯罪行為により不慮の死を遂げた者または傷害を受けた者(以下「被害者」という。)があるときは、第1順位遺族(次条第3項の規定による第1順位の遺族をいう。)に対し遺族見舞金を、傷害を受けた者に対し傷害見舞金(以下「見舞金」という。)を支給する。

遺族見舞金については、犯罪被害者が死亡である場合に、被害者の遺族のうち第一順位の者に対して支給される。遺族の順位については第4条に具体的に定めている。
傷害見舞金は、被害者本人に対して支給されるものとする。

遺族の範囲および順位

第4条遺族見舞金の支給を受けることができる遺族は、被害者の死亡のときにおいて、次の各号のいずれかに該当する市民とする。

  1. 被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)
  2. 被害者の収入によって生計を維持していた被害者の子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹
  3. 前号に該当しない被害者の子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹

犯罪被害者等給付金支給法においても死亡した者との親族関係の遠近の程度と現実の生活における関係の緊密さを考慮して一定の順位をつけ、その第一順位遺族に給付することとされている。このことから本条例もこれに倣ったものである。(支給法第5条に準ず)

遺族:本条例に定める遺族は、民法第730条の親族間の互助(直系血族及び同居の親族)、第752条の同居・扶助の義務(夫婦)、第877条第1項の扶養義務(直系血族及び兄弟姉妹)及び同条第2項により家庭裁判所が扶養義務を負わせることのできるもの(3親等内の親族)であり、社会生活のなかでも密接に関係があり、相互に助け合っていかなければならないとされている者である。従って、この範囲の遺族を見舞金の支給を受けられる遺族と規定した。

配偶者:被害者の配偶者には、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」が含まれる。これは婚姻の届出を欠くが社会通念上、夫婦としての共同生活を営んでいると認められるような事実関係をいうものであり、その事実を成立させようとする当事者間の合意と事実関係の存在が要件となる。従って、婚姻の意思もなく単に同棲していた場合等はこれに当たらない。また例えあったとしても、民法第734~736条にて禁止されている婚姻(近親婚の制限等)に該当するようなものや、当事者のいずれかに戸籍上の配偶者がある場合も原則的には本条にいう事実婚には該当しない。

生計維持:被害者の子、父母、祖父母及び兄弟姉妹については「被害者の収入によって生計を維持していた」者とそれ以外の者とに区分しているが、これは生計維持関係にある者を優先して支援しようとするものである。

2被害者の死亡の当時胎児であった子が出生した場合においては、前項の規定の適用については、その子は、その母が被害者の死亡の当時被害者の収入によって生計を維持していたときにあっては同項第2号の子と、その他のときにあっては同項第3号の子とみなす。

胎児の取扱い:被害者の死亡の当時、胎児であった子が出生したときは、その子は本条に定める遺族に該当するが、第1項の適用については二つに分かれる。すなわち、その母が被害者の死亡の当時被害者の収入によって生計を維持していた時は、同項第2号の子(被害者の収入によって生計を維持していた被害者の子)となり、その他の時は同項第3号の子(被害者の収入によって生計を維持していなかった被害者の子)となる。胎児についての規定を設けたのは民法第721条(損害賠償請求権についての胎児の特例)第886条(胎児の相続権)等の規定に倣ったものである。「出生した場合において」としたのは本条例においては胎児よりも母親が優先して第一順位遺族になるからである。

3遺族見舞金の支給を受けるべき遺族の順位は、第1項各号の順序とし、同項第2号および第3号に掲げる者のうちにあっては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、 養父母を先にし、実父母を後にする。

被害者の死亡時に、例えば被害者の配偶者が死亡しているときは、その子が第一順位遺族となり、また独身者のように配偶者も子もいないときは父母が第一順位遺族となる。また、第一順位遺族が子である場合で、子が二人以上いるときは、その全員がそれぞれ第一順位遺族になる。ただし見舞金は所定の額を第一順位遺族の数により均等に支給されることとなり、遺族見舞金の申請、支給についてもそれぞれ別個に行うこととなる。父母等についても同様とする。

見舞金の支給制限

第5条市長は、次に掲げる場合には、見舞金の支給をしないことができる。

  1. 被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき
  2. 被害者が犯罪行為を誘発した場合、その他当該犯罪被害につき、被害者にもその責めに帰すべき行為があったとき。
  3. 前2号に掲げる場合のほか、被害者またはその遺族と加害者との関係その他の事情から判断して、見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

本条例は、いわゆる通り魔的殺人等の人の生命又は身体を害する犯罪行為により、何ら自己の責めに帰すべき行為その他の事情がないのにもかかわらず、不慮の死を遂げた市民の遺族又は傷害を受けた市民に対し、市として見舞金を支給し、精神的被害の軽減を図るとともに支援しようとするものである。このことから犯罪被害を受けたことについて被害者又は遺族見舞金の支給を受けることができる遺族にも、この責めに帰すべき行為、すなわち犯罪被害について不慮性を欠く事情その他給付を行うことが適切でないとみとめられる事情があるときは見舞金を支給しない。

問題となるのは「ひき逃げ事故」で死亡等の場合であるが、これは事故の時点では「過失」と解釈されるので支給対象とはしない。もちろん当たり屋まがいの狂言等の行為についても当然、被害者の責めに帰すべき行為として支給対象とはしない。

また、「被害者が犯罪行為を誘発したとき」とは被害者が相手の犯罪行為を誘い起こすことであり、「その他」の後にある「被害者にも、その責めに帰すべき行為」と並列関係にあることから、責めに帰すべき行為とは誘発以外の行為であって被害者についても当該犯罪被害という結果の全部又は一部を被害者自身の負担ないし不利益として受認させられても仕方がない行為があったことを意味する。

また、判断の基準としている「社会通念上、適切でない」とは社会的に通用する健全な一般良識から見て妥当性を欠くということである。

見舞金の額

第6条見舞金は一時金とし、その額は次のとおりとする。

  1. 遺族見舞金:300,000円
  2. 傷害見舞金:100,000円

2遺族見舞金の額は、遺族見舞金を受けることができる遺族が二人以上ある場合は、前項第1号に定める額をその人数で除して得た額とする。

見舞金の額については、支給の趣旨が補償や損害補填ではなく見舞金的性格ものであることから、一時金とし、他市町の額を参考に社会通念上妥当と認められる額に設定した。

見舞金の支給申請

第7条見舞金の支給を受けようとする者は、被害届の受理証明書を添付して、市長に申請するものとする。

2前項の申請は、当該犯罪被害の発生を知った日から2年を経過したとき、又は当該犯罪被害が発生した日から7年を経過したときは、することができない

見舞金支給の申請がないのに市が一方的に見舞金を支給することは必ずしも適当でないところから、申請主義によることとした。

時効の規定は、給付金支給法第10条の規定に準じたもので、犯罪被害の発生を知った日とは、故意のの犯罪行為により死亡したことまで知る必要があり、申請ができる期間についてもいたずらに長期にすることは好ましくないことから支給法に準じ2年とした。

また、身元不明の殺人事件で遺族が犯罪被害の発生を知らない事案などについても「7年を経過したとき」は申請することができないとしたのは、長期間経過した申請については適正な審査が行えないおそれが強く、民事上の失踪宣言(民法第30条)の例に倣い法律関係に一定の区切りをつけることとし7年とした。

なお、被害届の受理証明を添付するのは、警察との連携と支給に際しての審査の要件とし、被害者に警察への届出を促す意味がある。

認定

第8条市長は、前条第1項の申請があった場合は、速やかに審査の上、支給の適否を決定しなければならない。

本条例は、不慮の死を遂げた市民の遺族や傷害を受けた市民の支援を目的としていることから、申請者から支給の申請があった場合には可能なかぎり早急に審査を行うということである。

見舞金の返還

第9条市長は、偽りその他不正の手段により見舞金の支給を受けた者があるとき又は見舞金の支給後において第6条の規定に該当することが判明したときは、当該見舞金をその者から返還させるものとする。

支給法第15条に準じている。「偽りその他不正の手段」とは、刑法第246条の詐欺罪その他の犯罪を構成することはもちろんのこと、見舞金の支給を受ける手段として不正が行われた場合の全てをいう。具体的な行為の態様としては、申請書に虚偽の事実を記載したり偽りの報告をするなどの行為がある。

その不正の手段は支給を受けた者の行為に限らない。「見舞金を受けた者」とは偽りその他不正の手続きにより、現実にかつ直接的に見舞金の支給を受けた者をいい、受給権を有する者に限らない。

不正受給の徴収権の消滅時効は、会計法第30条の規定により5年間となる。なお、偽りその他の不正の手段によって支給されたものは、その支給時より本条によって返還請求し得るものである。

関係機関との連携

第10条市長は、警察およびその他関係機関と情報交換、相互協力などの連携を図り、被害者の支援に努めるものとする。

本条例は、不慮の死を遂げた市民の遺族又は傷害を受けた市民の精神的被害の軽減のため、市として支援することを目的とするもので、被害者等に対して見舞金の支給のほか、市として警察及びその他関係機関と連携し、必要な支援を行うことを規定した。

被害者は、その直接的被害だけでなく結果として生じる経済的、精神的被害等を受けており、なかでも精神的被害は深刻である。このため近年被害者に対する精神的ケアーの重要性が叫ばれており、各種相談業務をもつ機関・団体等との連携した被害者支援が行われつつある。滋賀県内においても現在、支援のネットワークづくりが実施されつつある。なお国においても精神的ケアーの必要性が強調されており支給法の改正が予定されているところである。

委任

第11条この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附則

この条例は、公布の日から施行する。(平成13年3月28日公布)

 近江八幡市犯罪被害者等支援条例施行規則とその解説

目的

第1条この規則は、近江八幡市犯罪被害者等支援条例(平成13年近江八幡市条例第2号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

見舞金支給審査会

第2条市長は、条例第8条に規定する認定について、適正かつ円滑な運用を図るため、近江八幡市犯罪被害者等見舞金審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2審査会は、会長、副会長および委員若干人をもって組織する。

3会長は助役を、副会長は総務部長をもって充て、委員は関係部課長のうちから市長が任命する。

見舞金を支給しない場合

第3条犯罪行為が行われたときにおいて、被害者又は条例第3条の第1順位遺族(第1順位遺族が2人以上あるときは、そのいずれかの者)(以下「被害者等」という。)と加害者との間に次の各号のいずれかに該当する関係があったときは、遺族見舞金又は傷害見舞金(以下「見舞金」という。)を支給しないものとする。

  1. 夫婦(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった場合を含む。)
    「事実上の婚姻関係」とは、婚姻の届出を欠くが、社会通念上、夫婦としての共同生を営んでいると認められるような事実関係をいうものであり、その事実を成立させうとする当事者間の合意と事実関係の存在とが要件になる。
    「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった場合を含む。」については、条例第3条の場合と同じである。本号により見舞金が不支給となる例としては次のようなものがある。
    • 夫が妻を殺害したとき
    • 婚姻の届出はしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある夫が妻の 実父を殺害し、妻が第一順位遺族となるとき(第一順位遺族と加害者が夫婦
  2. 直系血族(親子については、縁組の届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にあった場合を含む。)
    条例第4条の遺族見舞金の支給を受けることができる遺族には、事実上の養子縁組は含まれないが,給付金の不支給事由を定める本号においては、これを認めている。
    「事実上の縁組関係と同様の事情にあった場合」とは、縁組の届出はしていないが、当事者の縁組意思の合致など縁組が成立するために必要な民事上の実質的要件を備えており、かつ、親子的共同生活の実が生じている場合のことである。
    本号により見舞金が不支給となる例としては次のようなものがある。
    • 子が実父を殺害した場合(被害者と加害者は直系血族)
    • 養父が養子の実兄を殺害し、養子が第一順位遺族になる場合(第一順位遺族と加害者は直系血族~親子)
  3. 3親等内の親族
    三親等内の遺族とは、三親等内の血族及び三親等内の姻族のことである。例として次のようなものがある。
    •  加害者が実父の弟を殺害した場合(被害者と加害者は三親等内の親族)
    •  加害者が実弟の妻を殺害し、実弟が第一順位遺族となる場合(第一順位遺族と加害者はニ親等の親族)
    • 加害者が妻の兄を殺害した場合(被害者は加害者のニ親等の姻族)
  4. 同居の親族
    「親族」とは、民報第725条に定める「6親等内の血族」「配偶者」及び三親等内の姻族」をいうが、本号に定める「親族」は、本条第一号から3号に定める親族以外の親族のことである。例として次のようなものがある。
    • 加害者が同居している従兄弟を殺害した場合(被害者と加害者は四親等内 の血族であり、同居の親族)
    • 加害者が同居している従兄弟の子で別居中の者(加害者と五親等の血族) を殺害し、前記従兄弟(被害者の父)が第一順位遺族になる場合(第一順位遺族 と加害者は同居の親族)

第4条犯罪被害について、被害者等に次の各号のいずれかに該当する行為があったときは、見舞金を支給しないものとする。

支給法施行規則第3条に準ずる

(1)当該犯罪行為を教唆し、または幇助する行為

1号の「教唆」及び「幇助」は、刑法第61条の教唆及び第62条の幇助と同義である。すなわち、「教唆」とは、「他人に犯罪を実効する決意を生ぜしめる意識的行為」をいう。既に決意を持っている者に対しては単に犯罪の決意を強める意味で従犯が成立するにすぎない。教唆は明示でも黙示でも差し支えなく、またその方法いかんを問わない。」「幇助」とは、「それ自体犯罪の実行でない行為によって正犯の行為を助け、その実現を容易ならしめることをいう。ただし、幇助行為は正犯の実行に欠くべからざる行為たることを要しない。その方法は物質的であると精神的であるとを問わない。」この「教唆」及び「幇助」は、当該犯罪行為についてなされたものでなければならない。ところで、被害者が被害者自身に対する犯罪行為を教唆し、又は幇助したよきは、規則第5条第1号の「当該犯罪行為を容認していたこと」にも該当する場合が多いと考えられる。いずれを適用するかが問題となってくるかが、規則第4条第1号は、被害者の積極的な行為を伴うものであり、規則第5条第1号は受動的なものであることから個別の事案の実態に即して適用法条を決めるべきである。

例としては

  • 自己の生命保険金を遺族に残すことを決意した被害者が、自己を殺害するよう部下に命令し、これに従った部下に殺害された。(被害者の加害者に対る教唆行為)
  • 第一順位遺族になり得る妻が、既に夫の殺害を決意している情夫に対し、殺害の実行に用いる短刀を供与した(第一順位遺族の加害者に対する幇助)
(2)暴行又は脅迫、屈辱等当該犯罪行為を誘発する行為

本号に定める「暴行」とは通常は人体に対する物理的な力の行使をいい「脅迫」とは一般に人を畏怖させるに足りる害悪を加える行為である。「屈辱」とは他人の人格を蔑視する価値判断を示すこと、すなわち人の社会的名誉又は名誉感情を害する行為である。「等」とは、いやがらせもしくは強要、背信行為等をいう。「犯罪を誘発する行為」とは、犯罪行為を誘い起こすこと、加害行為を誘導し、又は挑発する行為をいう。したがって、本号に定める暴行又は脅迫は、誘発する行為の例示であり、その具体的内容を示すものである。なお、支給は全く落ち度のない不慮の犯罪被害者に対して支給するものであり、過度の屈辱・脅迫か単なる反論(売り言葉に買い言葉)なのかの判断については、捜査機関でない自治体において行うのは困難であり、紛議を招くことから、本規則では、少しでも被害者に落ち度があれば支給しないこととした。

第4条(3)当該犯罪行為に関連する著しく不正な行為

当該犯罪行為とは、被害者等の著しく不正な行為がなければ当該犯罪行為もなかったという条件関係があることをいう。

例えば、強盗の共犯者が独り占めを図るため、他の共犯者を殺害したときは、当該

強盗行為は当該殺害行為に「関連する」ものといえる。

「不正」とは正しくないことで、前号の誘発する行為で、いやがらせ又は強要、背信行為等を含めていることと対比して考えると、違法な行為ではないが「不正な行為」に該当するものがあると解する余地がある。

第5条被害者等に次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、見舞金を支給しないものとする。

支給法施行規則第4条に準ずる

本条においては、被害者等に当該犯罪行為の容認、暴力組織への所属又は当該犯罪
行為に対する報復行為のいずれかに該当する「事由」があるときは、給付金は支給しないこととしている。このような「事由」のあるものに給付金を支給するのは本条例の趣旨に反するからである。
第3条が被害者と加害者の関係、第4条は被害者等の行為をとらえているが、本条は被害者等の有する事由をとらえている。

  1. 当該犯罪行為を容認していたこと。
    当該犯罪行為を「容認していた」とは、明示又は黙示の同意など当該犯罪行為を許し認めていたことである。この容認は、普通の弁識能力を有する被害者が任意かつ真意に出たものであることを要する。
  2. 集団的に、または常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していること。(その組織に属していることが当該犯罪被害を受けたことに関連がないと認められるときを除く。)
    「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していたこと」とは、例えば暴力団、極左暴力集団、暴走族等の組織に属していた場合である。本号に該当するか否かの認定は、取締担当機関等の認定資料が有力な手がかりとなるが同認定資料は公開されておらず、これらの組織は、本来社会的に容認されていないものが多いところから公然資料を収集できない場合が少なくない。したがって当該組織の構成員数、結合状態、内部統制、継続性、目的等の実態を見極め、個別的に判断することとなる。
  3. 当該犯罪行為に対する報復として、加害者又はその親族その他の加害者と密接な関係にある者の生命を害し、又は身体に重大な害を加えたこと。
    「報復」とは、当該犯罪行為に対して仕返しをすることである。報復の対象は、「加害者又はその親族その他の加害者と密接な関係にある者」であるが、親族以外の「加害者と密接な関係にある者」とは、当該犯罪行為の加害者又は親族に対する報復としてなされたと同一視得る範囲内にある者をいう。例えば、加害者の婚約者に対する報復等である。
見舞金の支給に関する特例

第6条既に傷害見舞金の支給を受けた者が当該犯罪行為により死亡した場合における遺族見舞金については、当該傷害見舞金と遺族見舞金との差額を支給するものとする。ただし、犯罪被害を受けた日から1年以上経過して死亡した場合は、この限りでない。

支給法施行規則第10条に準ずる

同一事案の犯罪被害において、傷害見舞金と遺族見舞金の二重支給は、予定していないことから、既に傷害見舞金の支給を受けた者が、当該犯罪行為により死亡した場合の遺族支援金については、30万円から既に支給を受けた傷害見舞金を差し引いた額を支給する者とする。

当該犯罪行為で傷害を見舞金の支給を受けた者が、明らかに犯罪行為とは関連のない原因で死亡した場合は支給しないことに問題はないが、犯罪行為と死亡の因果関係が認められる場合は、死亡原因、医師の意見、受傷からの期間等総合的に判断しなければならない。

この場合、受傷からの死亡した期間が長ければ長いほどその因果関係の立証は困難になり、一定の期間を定める必要がある。嵐山町の場合、「犯罪被害を受けた日から2年以上経過して…」と定められているが、2年以内で死亡した場合の因果関係の立証は困難と認められることから、1年間とした。従って、受傷から1年を経過して死亡した場合は原因が犯罪行為と認められるときでも支給しないことになる。

見舞金の支給申請

第7条条例第7条の規定により遺族見舞金の支給を申請しようとする者は、次に掲げる書類を添えて、近江八幡市遺族見舞金支給申請書(別記様式第1号)を市長に提出しなければならない。

  1. 被害者の死亡診断書、死体検案書その他当該被害者の死亡の事実及び死亡の年月日を証明することができる書類
  2. 申請者が被害者と婚姻の届出をしていないが、被害者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者であるときは、その事実を認めることができる書類
  3. 被害届の受理証明
  4. その他市長が必要と認めた書類

規則第16条に準ずる

2条例第7条の規定により傷害見舞金の支給を申請しようとする者は、次に掲げる書類を添えて、近江八幡市傷害見舞金支給申請書(別記様式第2号)を市長に提出しなければならない。

  1. 身体上の障害の状態に関する医師または歯科医師の診断書
  2. 被害届の受理証明
  3. その他市長が必要と認めた書類

規則第17条に準ずる

見舞金の審査結果通知

第8条市長は見舞金の支給に関する審査を行ったときは、速やかに、近江八幡市見舞金審査結果通知書(別記様式第3号)により、その内容を申請者に通知しなければならない。

委任

第9条この規則に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

付則

この規則は、公布の日から施行する。

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 人権・市民生活課
〒523-8501 滋賀県近江八幡市桜宮町236番地
電話番号:0748-36-5881/0748-36-5566(市消費生活センター)
ファックス:0748-36-5553
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