近江八幡市生活安全基本計画

更新日:2020年01月31日

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はじめに

近年、少子・高齢化や核家族化等により我が国の社会情勢は急激に悪化してまいりました。本市の歴史が育んだ地域コミュニティは弱体化し、地域における自主的な防犯組織の結束力や事故防止機能が低下するなか、犯罪や事故が増加する傾向にあります。

このような状況を踏まえ、本市では、平成12年10月に施行した「近江八幡市安全で安心なまちづくり条例」に基づき、生活安全施策を総合的かつ計画的に推進するための柱となる「近江八幡市生活安全基本計画」を策定いたしました。

この計画では、地域住民の相互信頼を基にした、誰もが安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、住民自らが安全意識を共有し、日頃から互いに力を合わせて、助け合っていけるような関係の構築と、地域住民や市、警察、事業者などの関係機関が連携を取り合い、一体となって、地域安全の活動に取り組んでいけるような良好な地域コミュニティづくりに取り組むとともに、その推進組織としての「学区安全安心まちづくり協議会」とその上部連絡組織として「市安全安心まちづくり連絡協議会」を設置し取り組みを進めていくことと致しております。

具体的には、生活安全基本計画では各種の生活安全施策を「市及び関係機関の取り組み」「市民の取り組み」「事業者の取り組み」に分類し、それぞれ今後取り組むべき課題を網羅しています。 今後、本市におきましては、この計画に基づき、市民や事業者、関係機関の方々との揺るぎないパートナーシップのもと、各種生活安全施策を積極的に展開し、「誰もが安全で安心して暮らせるまち」の実現に向けて全力を傾けて参ります。

結びに、今回の「近江八幡市生活安全基本計画」の策定にあたりご尽力を賜りました近江八幡市安全で安心なまちづくり推進協議会(生活安全まちづくり推進協議会)の委員の皆様をはじめ、貴重なご意見等をお寄せいただきました市民の皆様方に厚くお礼を申し上げますとともに、今後ともより一層のご理解、ご協力をいただきますようにお願い申し上げます。

平成15 年2 月     

 近江八幡市長 川端 五兵衞

目次

  • 第1章  計画策定の趣旨
    1. 計画策定の趣旨
    2. 安全の範囲
    3. 計画期間
  • 第2章 現状及び課題
    1. 地域生活環境の変化
    2. 犯罪及び交通事故の状況
  • 第3章 計画推進の基本的な考え方
    1. 自らを守る意識の高揚
    2. 連携・ネットワークの確立
    3. 生活安全まちづくり協議会の設置
  • 第4章 生活安全施策の推進計画
    1. 市及び関係機関の取り組み
      1.  知識の普及及び啓発活動の推進
      2.  生活安全活動を担う人材の育成
      3. 交通安全に関する施策の推進
      4. 市民の自主的活動への支援
      5. 犯罪や事故の防止に配慮した環境づくりの推進
      6. 対象別安全施策の推進
        1. 乳幼児、児童、生徒を対象とした施策
        2. 高齢者、傷害のある人を対象とした施策
        3. 青少年を対象とした施策
        4. 外国人、旅行者等を対象とした施策
      7. 犯罪及び事故発生時の緊急体制の整備
      8. 被害者等への支援の整備
    2. 市民の取り組み
    3. 事業者の取り組み
  • 第5章 計画の推進にあたって

第1章 計画策定の趣旨

1.計画策定の趣旨

  戦国期末の中世期から、幾多の戦乱をくぐり抜けて八幡の町をつくり、近江商人の町として発展させてきた本市の住民は「地域住民の安全は地域住民自らが守る」という精神を持ち、農村部では惣組織を、町部では町衆の自治を「まつり」に昇華させ、全国的にも誇れる強固な自治組織を生み出した。

  この精神は、安全の確保に向けても、地域住民の自主的な活動として、連綿として受け継がれて、今日に至っている。

しかし、近年の少子・高齢化や核家族化並びに人口の流入といった急激な社会情勢の変化は、本市の歴史が育んできた地域コミュニテイを希薄化し、地域における自主的な防犯組織の結束力や事故防止機能を低下させるなか、犯罪や事故が増加する傾向にある。

犯罪や事故のない、「誰もが安全で安心して暮らせるまち」を実現していくためには、市行政、事業者、市民、警察その他関係機関がより連携を強め、一体となった活動を展開していくことが必要である。

このような基本認識のもと、近江八幡市は、地域における犯罪及び事故を未然に防止するため、市、市民及び事業者並びに関係機関が果たすべき責務を明らかにするとともに、市行政及び関係機関が安全の確保に関する施策を総合的に且つ計画的に推進することにより、市民が安心して生活することのできる地域社会の実現を図ることを目的とした「近江八幡市安全で安心なまちづくり条例」(平成12年市条例第39号。以下「生活安全まちづくり条例」という)を平成12年10月1日に制定、施行した。

生活安全まちづくり条例の第4条に基づき条例施行規則(平成12年市規則第33号)第2条において市は「生活安全基本計画」を定めなければならないと、明記されている。  生活安全基本計画は、生活安全施策を体系的かつ具体的に推進し、条例の実効性を確保するため、地域社会を取り巻く今日的状況を踏まえ、本市の責務、事業者の責務、市民の責務を明らかにし、誰もが安心して暮らせるまちの実現を目指して策定したものである。

2.安全の範囲

安全の範囲については、犯罪及び事故の防止を想定しているが、市民の生活様式や社会状況の変化等その時々によって、求められる安全施策の範囲は異なることが予想されるため、ここでは「生活安全」と特定して、犯罪と交通事故の防止を主眼として計画の策定をしている。

なお、火災や地震などの災害や環境保全、労働災害といった分野については、既に独立した枠組みで施策が体系化されており、概念の混乱を避けるため、現時点では「安全の範囲」には含めないこととしているが、生活安全施策を具体的に実施していくに当たっては、これらの関係機関が十分に連携し、協力しながら一体となって推進する必要がある。

3.計画期間

この基本計画の期間は、平成15年度(2003年度)から平成24年度(2012年度)までの10年間とする。ただし、生活安全施策等については、社会の急速な変化に対応していくために、適宜見直しを行い、各年度の実施計画に反映していく。

第2章 現状及び課題

1.地域生活環境の変化

  今、私たちは、かつて経験したことのない大きな転換期に立っている。少子化の進行、長寿社会の到来、国際化や高度情報化の進展など、社会情勢の急激な変化が、私たちの暮らしや地域のあり方に予想を超える大きな変化をもたらしている。将来を予測することが非常に困難な状況の中、先行きに対する強い不安感を抱く人が多く、私たちが日々生活する地域においても様々な変化が起こっている。

かつては、地域社会が持っていた住民相互支援のしくみの中で、近隣にどのような人が住まい、どのような生活をしているのかという情報を有し、また、一定の共通した価値観を共有する中で生活していた。換言すれば、地域社会は、ある意味に置いて、包容力を有し、だれもが安心して暮らせることができていた。

しかし、近年においては、個々人の生活様式は様々で、価値観は多様化し、地域における結びつきが希薄になってきている。

さらに国際化の進展に伴い、日本から遠く離れた国や地域における出来事が、私たちの生活に直接、しかも短時間のうちに影響を及ぼす状況にある。また、地域に目を転じると、外国籍市民も増加し、異なった文化や生活様式を持つ人々とふれあう機会が増加してきている。

家庭においては、一世帯当たりの人員は減少し続け、核家族化と単身世帯化が進行している。かつては二世帯や三世帯が共に暮らし、子どもたちは共に生活する中で、いわゆる生活の知恵や規範意識、さらに人が老いるということはどのようなことなのか、ということを自然に学んできた。近年、青少年人口が減少しているにもかかわらず、青少年による犯罪の件数が増加しているという事実は、これら家庭のあり方として無関係ではないと思われる。

本市では平成8年に児童誘拐事件が発生した。幸い京都市内で発見され無事保護されたのだが、この事件においては、発生直後から保護者や地域住民と教職員が一体となって安全確保の取り組みと、児童・生徒、保護者に対して適切な対応を講じたことで、事件の子どもたちへの影響を最小限にとどめることができた。この事件からの教訓として、子どもたちの安全は、決して学校を閉ざすのではなく、学校・家庭・地域の結びつきを強め、誰もが地域の子どもたちを見守り、支えることによってこそ、確保されるものであることが浮き彫りになった。

以上のような状況の中、どのようにすれば誰もが安心して暮らせるまちづくりを進め、良好な地域コミュニティを築くことができるのか、明確な答えはないが、地域住民の相互信頼を基にした、自主的な結びつきを育てること、このことが、一つの大きな手がかりであり、課題である。

2.犯罪及び交通事故の状況

(1)犯罪発生の状況

平成14年1月~11月に市内における刑法犯の発生総数は1801件、凶悪犯は5件、粗暴犯は1481件、窃盗犯は1481件(うち乗物盗は502件)、知能犯36件、風俗犯6件、その他刑法犯は211件となっている。特に駅周辺でのひったくり、痴漢等が多く発生している。また、近江八幡署管内の少年非行は平成14年1月~12月で1662件(うち女子276件)対前年度比で35件の増となっている。

(2)交通事故の状況

平成14年1月~12月における市内で発生した交通事故(人身事故に限る)の発生件数は472件で、対前年度比で25件の減となっている。死者数は5人で4人の減、重傷者65人で4人増、軽傷者数571人で26人の減となっている。これは取り締まりを強化した結果と考えられる。

第3章 計画推進の基本的な考え方

1.自らを守る意識の高揚

  生活安全の出発点は、「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守っていく」ということであり、住民自らが安全意識を持ち続けることはもちろんのこと、日頃から住民みんなが力を合わせ、助け合っていけるような関係が構築されていることが大切である。

しかし、少子化や長寿化、核家族化といった急激な社会情勢の変化などにより、地域コミュニティが希薄になってきている。例えば、古くからの住民と新たに居住した住民との交流の希薄化、近所付き合いに無関心な住民の増加、外国籍住民や自治会未加入者等への情報伝達の不足などが挙げられる。これでは、地域における犯罪や事故を防ぐことは容易ではない。

誰もが安心して暮らせるまちを実現するためには、新たに居住した住民や外国籍住民も含めて、地域の実情に即した地域コミュニティを築き上げていくことが重要である。

2.連携・ネットワークの確立

  犯罪や事故のない、誰もが安心して暮らせるまちを実現するためには、地域住民及び各種住民団体、事業者がお互いに連携をとりあい、一体となって、地域の安全活動に取り組んでいけるような良好な地域コミュニティを育むことが必要である。

そして、これらの地域コミュニティと市、警察その他の関係機関が密接に連携し合うことによって、パートナーシップ型の体系の整った有機的な活動を推進することができる。 地域の安全を確保するための活動を幅広く推進していくためには、今日まで必ずしも連携のとれた活動ができていなかった既存の各種団体が、それぞれの活動目的を超えて、お互いの連携を深めていくことが重要である。

例えば、若葉町や丸の内町では、犯罪防止のために、防犯パトロールで自治会と警察が一体となり、不法駐車の取り締まりを集中的に行い、アメリカのニューヨークでも効果のあった「ブロークンウインドーズ(割れた窓ガラス)理論」を実践したところもある。

3.学区安全安心まちづくり協議会の設置

 地域が主体となって、生活安全施策の推進に重点的に取り組んでいけるようなネットワークを構築するための組織として、(小)学区を単位とした「安全安心まちづくり協議会」を設立する。

これは、全く新たな組織をつくるのではなく、地域住民及び各種住民団体、事業者、市、警察その他の関係機関が連携をとり、既存の組織(学区の防犯自治会に交通を加えたもの)を主体として、生活安全に関する取り組みを推進していくものである。さらにこの学区安全安心まちづくり協議会を母体として、地域における生活安全活動を積極的に展開するなかで、学区から町内単位へとより身近な活動を展開し、真に地域住民が主体となって「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守る」という地域安全コミュニティづくりへ発展させていくことが重要であり、大きな課題でもある。

第4章 生活安全施策の推進

1:近江八幡市及び関係機関の取り組み

1.知識の普及及び啓発活動の推進

地域における犯罪や事故を未然に防止するためには、市民一人ひとりが生活安全の確保に関する知識を持つことが必要である。市民や外国籍市民等への知識の普及や啓発活動を推進するため、広報活動や、各種啓発事業を積極的に実施する。

施策
  • 生活安全運動強化期間等の設定
    街頭啓発や講演会、研修会などの啓発活動を重点的に実施するため、生活安全運動強化期間等を設定し、防犯推進運動、暴力追放運動などと連動しながら、より広範な生活安全推進活動を展開する。
    さらに、地域住民及び各種住民団体、警察その他の関係機関と連携し、年間を通して、生活安全教室や生活安全懇談会を開催する。
  • 広報活動の推進
    生活安全施策事業の実施に当たっては、その事業の内容などを新聞や市広報、テレビ、ラジオ番組などを活用するとともに、報道機関への情報提供を行い、広く市民などへ周知することにより、生活安全に関する知識の普及や啓発活動に努める。
  • 薬物乱用防止啓発事業の推進
    麻薬、覚醒剤、シンナーなどの薬物乱用は、第3次乱用期を迎えたと言われているように、社会の各層にまで拡大しており、特に青少年、女性の乱用が目立つなど憂慮すべき状況にある。
    今後は、啓発ポスターの掲示、啓発物品の配布、電光掲示場を乱用した啓発などを進めるとともに、市に結成されている覚醒剤などの「薬物等乱用防止協議会」と連携を図り、地域に密着したきめ細かい普及啓発活動を推進する。
  • 放火による火災防止対策の推進
    火災原因の上位である放火火災防止対策を推進し、放火火災による被害の軽減に努める。具体的には、放火火災防止市民啓発媒体としてのパンフレットの作成、事業所や一般住宅などに対し放火されない環境づくりなどについての相談、指導を実施する。
    さらには、高齢者や障害のある人などの住宅避難困難者に関係する市民団体等に対する放火火災予防対策などに関する研修会などを実施する。
2.生活安全活動を担う人材の育成

 地域において生活安全に関する活動を得勝に実施するためには、中心となって活動する人材が不可欠である。

このため、市民や事業者が生活安全についての専門的、実践的知識を習得する場を提供するとともに、安全な町づくり運動など実践的な活動を通じて、リーダーとなる人材の育成を図る。

施策
  • 講習会・研修会の開催
    市民や地域におけるリーダーを対象とした生活安全に関する講習会、研修会を開催する。
    講習会や研修会の開催に当たっては、参加者が一方的に話を聞くという受け身的なものにとどまらず、身をもって体験できる「参加・実践型」の講習や研修を取り入れる。
    特に市民ボランティアの育成として、ガーディアンエンジェルスなどのNPO組織を参考として青年や女性の参加によるボランティア組織の育成に努める。
3.交通安全に関する施策の推進

 市内や観光旅行者などを交通事故の被害から守るための施策として、交通安全啓発事業、交通安全施設整備事業、違法駐車等防止対策事業、放置自転車対策事業などを実施しているが、これらの施策を一層推進するとともに、「歩行者の安全」を確保するという視点を取り入れた施策を推進する。

施策
  • チャイルドシート着用の徹底
    道路交通法の改正に伴い、平成12年4月から、6歳未満の幼児を乗車させる自動車の運転者にチャイルドシートの着用が義務付けられた。これを契機に普及啓発事業の一環として、市民に対し、チャイルドシートの正しい利用方法を普及徹底するとともに、安全意識の高揚に努める
  • 交通安全施設整備事業の推進
    昭和41年に「交通安全施設等設備事業に関する緊急措置法」が策定されている。これに基づいて「交通安全施設等整備事業計画」を策定し、交通安全施設の整備拡充に努め、交通事故の防止と交通の円滑化を図っていく。
    安全かつ円滑なモビリティ(機動性、可動性)の確保、分かりやすく安心して利用できる道路交通環境の整備、交通事故調査・分析・研究システムの充実、自転車・歩行者の安全で快適な通行の確保、都市内における歩行者優先道路の面的整備、安全総点検の実施、地域の特性に応じた道路交通の安全確保等の交通安全事業を地域住民と行政の連携に重点を置いて取り組みを進める。
4.市民の自主的活動への支援

 市民自らが積極的に生活安全に関する知識を理解していくこと、あるいは、地域単位において、地域住民や各種住民団体が一体となって、地域の安全のために幅広く活動していくなどの自主的活動は、地域における犯罪や事故を未然に防止する上で必要不可欠である。 特に近年は、NPO(民間非営利組織)やボランティア活動が盛んになってきており、このような活動を維持、発展させていくことは、今後、生活安全施策を推進する上で重要なことである。

さらに、明るい町づくりを推進していくためには、地域住民の安全に関する活動を支援するという視点を持って、軽犯罪とあわせ犯罪を生む大きな要因の一つである暴力を追放するための住民運動などへの支援を確立する必要がある。

施策
  • 物的支援の推進
    地域における生活安全推進活動に対し、地域安全ニュース、パンフレット等の発行やたすき等の啓発物品などの提供といった物的支援と学区での活動に対しての補助を整備する。
  • 表彰制度の実施
    誰もが安心して暮らせる町づくりの推進に顕著な貢献があったと認められる地域住民や各種団体に対し、その功績をたたえることにより、生活安全推進活動に対する社会的評価を高めるため、表彰制度を実施する。
  • 市民(活動支援)センター(仮称)等の整備推進
    ボランティア活動が市民生活の多様な分野に拡大している状況を踏まえ、自治会や様々な市民団体のボランティア活動やNPOの活動を総合的に支援するための拠点となる「市民(活動支援)センター(仮称)」を学区ごとに、また市民活動の情報交流のできる場としてのサロンを整備・推進する。
  • 女性に対する暴力への対策の強化
    あらゆる形態の女性に対する暴力を許さない社会づくりに向けて、正しい理解を得られるよう、広報及び啓発活動を積極的に展開するとともに、性に関わる暴力に対する相談機能を整備し、NPO等との連携の下に緊急一時避難場所(シェルター)等、被害者の保護体制を確立する。
  • なお、女性に対する暴力の実態や、市民意識の動向を把握するため、「女性に対する暴力に関する市民意識実態調査」を実施して、調査結果を基に被害女性に対する支援などを検討し、「女性に対する暴力を許さない社会づくり」に向けて取り組みを進める。
5.犯罪や事故の防止に配慮した環境づくりの推進

  犯罪や事故を防止するための取り組みは、パトロールやチラシなどの配布といったソフト面からの対策にとどまらず、町づくりにおいても、犯罪や事故が発生しにくい環境づくりに着目したハード面での対策も必要である。特に注視するのは割れた窓ガラス理論に基づく軽微な犯罪取締りと犯罪防止政策である。

従って、町づくりに関し、公共的建築物や道路、公園などの施設を設置する場合においては、防犯や事故防止の視点を取り入れて、バリアフリー化社会の現実に向けた取り組みを進めるとともに、市民の監視意識と協力も必要不可欠である。

看板ひとつとっても「気をつけよう甘い言葉と暗い道」(犯罪にあったら責任は被害者にあるようにとれる)ではなく「痴漢は犯罪です。前科がつきます」(犯罪者への警告)というように変えていくことも必要である。どんな小さな犯罪(未成年の飲酒喫煙等)も見逃さない、みんなで監視するという体制づくりと行動こそが大きな犯罪をも未然に防ぐのである。

施策
  • 「都市計画マスタープラン」の設定
    都市計画法第18条の2の規定に基づき、住民の意見を繁栄させた都市づくりの将来ビジョンを確立し、地域のあるべき市街地増や地域の整備課題に応じた整備方針などを内容とした「都市計画マスタープラン」を策定するにあたり、防犯や事故防止、さらにバリアフリー化の視点を加える。
  • 公園の整備に当たっては、階段やスロープなど各種構造物の安全に対する企画・寸法・材質などの配慮、死角をつくらないような樹木の配置や種類の選定、照明灯設置にかかる夜間の安全、防犯、風紀上の配慮、隣地との境界構造物の防犯上の配慮、便所設置に係る防犯、風紀上の配慮など、計画・設計段階から公園利用者に事故が無く安全に利用できるよう、また、風紀上や防犯上も問題の無いよう配慮した設備を進める。
  • 道路照明灯の設備
    夜間の防犯及び交通安全確保のため、蛍光灯、水銀灯などの道路照明灯の設備を進める。
  • 屋外広告物の安全点検などの推進
    屋外広告物が、破損、落下、倒壊などにより公衆に危害を及ぼすことを防止するため、設置者に対し、屋外広告物の許可通知書交付時に、屋外広告物の安全点検について文書を発行し、啓発を努めている。また、「屋外広告物安全キャンペーン」を行い、看板による事故を防止するため、モデル地区において看板の総点検を実施する。
    また、青少年の健全育成と都市景観の維持、向上を図るため、風俗関係の路上違反広告物の追放をより一層推進する。
6.対象別安全施策の推進

1.乳幼児、児童、生徒を対象とした施策

21世紀を担う子どもたちの命と健康が大切にされ、安心して暮らしていける環境をつくっていくことは、私たち大人に課せられた重大な使命であるといえる。

子どもたちを犯罪や事故の危険から守っていくために、家庭、学校地域社会、近江八幡市、警察その他の関係機関が一体となった取り組みを進める。

【施策】

  • 保育園や幼稚園、学校において、子どもの事故防止のため、安全配慮、安全指導を徹底するとともに、施設や遊具の環境整備を進める。また、子どもの事故防止のための関係職員研修や警察の協力を得て交通安全教室を開催する。
  • 通学路安全対策の推進
    児童、生徒などの安全な通学を確保するという観点から、地域の交通事情や道路などの条件を勘案し、交通安全指導を実施している。
    具体的には、通学路や学校周辺の危険個所を点検し、危険内容と箇所を明記した「安全マップ」の作成、各小学校での交通安全に関する取組の実施、小学校におけるPTAと協力した朝の挨拶運動と連動した交通安全の監視運動、学校での交通教室の実施(全児童対象)、就学前の新1年生に対する交通教室の実施などの取り組みを一層推進する。
  • 子どもに対する虐待の予防と早期発見、速やかな援助ができる連絡協力体制を構築する。また、市内や各学区内において虐待が発見された際に援助が展開できるよう、関係機関との連絡を密接にする。
  • 子ども事故防止対策の強化
    幼児の死亡原因の第1位は交通事故、転落などの「不慮の事故」によるものであり、これらの防止は少子化問題を考える上でも重要な課題である。
    子どもたちの「不慮の事故」防止対策として、事故情報の収集、事故防止対策の研究、啓発活動の推進などを積極的に行う体制の整備を図る。

2.高齢者や障害のある人など社会的に弱い立場にある人たちが、地域において安心して、のびのびと暮らせるようになることは非常に大切なことである。これらの人たちを犯罪や事故から守っていくためにも実効ある取組を実施する。

具体的には、建築物や道路などのバリアフリー化といった高齢者や障害のある人などに優しい都市環境整備の推進、高齢者や障害のある人などが自らの生活の安全を確保していく上で必要とされる知識の重点的な普及や啓発などを進める。

また、地域の住民組織に未加入の人や一人暮らしの高齢者の方への知識の普及や啓発の促進にも配慮するとともに、住民運動などへの積極的な参加を呼びかける。

【施策】

  • 建築物や道路などのバリアフリー化の推進
    老人福祉等の関係者は、一人暮らしなどの高齢者を訪問し、安否の確認や話し相手、連絡などを行い、地域社会において、高齢者が安心して日常生活を営むことができるよう、日々熱心な活動を展開している。
    今後も、一人暮らしの高齢者の増加に対応して引き続き事業を展開するとともに、他制度との連携を密にした取り組みを進める。
  • 緊急通報システム事業の推進
    住宅の一人暮らしの高齢者・重度の身体障害がある人が急病や火災などの緊急事態に遭遇したとき、居宅に設置する緊急発信装置を用いて消防署などに設置する緊急通報受信装置に通報することにより、あらかじめ組織された地域協力体制による速やかな援助を得ながら、救護などを行い、生活の安全を確保するという「緊急通報システム事業」の開発と推進に努める。
  • SOSネットワークの推進
    徘徊高齢者の身体、生命を保護するために、警察署、消防署、福祉事務所及び郵便局などの行政機関、民生委員、社会福祉協議会などの民間関係機関、バス会社、鉄道事業者などの交通機関及びガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの民間事業者でSOSネットワークなどを構成して、関係機関及び事業者が連携して、徘徊高齢者などの早期発見、保護を図るための取組を推進する。
  • ノンステップバスの導入の推進
    市内のバスに、高齢者や障害のある人だけでなく、あらゆる層の人々に優しい構造を持つノンステップバスの導入を進めているが、一層の拡大に努める。
  • 障害のある人たち等弱者のためのモデル街づくりの推進
    福祉のまちづくりのあり方について関係機関・事業者等で協議し、事業の推進を図るため、障害者等弱者のためのモデル街づくりを推進する。
    今後も、関係機関・団体における検討、協議を踏まえ、歩道、横断歩道など交通安全施設、交通機関、庁舎や文化施設等公共施設の改善といった障害のある人の社会生活を容易にするための社会環境整備を推進する。

3.青少年を対象とした施策

近年、青少年非行の増加や低年齢化、また、最近の青少年の特性についても、規範意識や対人関係の希薄化、抑制力の不足と短絡的な行動傾向などが指摘されており、青少年を取り巻く環境はますます厳しいものとなっている。こういった問題を解決するために、行政機関に加えて家庭、学校、地域社会、関係機関などが一体となって、青少年の健全育成のための取り決めを進める必要がある。

具体的には、青少年育成団体や学校、警察などと連携した青少年の非行を防ぐための啓発活動、有害環境の浄化活動などを進める。さらに、青少年の自己成長を援助するユースサービスの理念に基づき、青少年が多様な人々との交流や実体験を通じて、様々な価値観にふれる機会を提供するなど、青少年の積極的な社会参加の促進に重点を置いた取組も進める。

【施策】

  • 有害環境の浄化活動の推進
    シンナー吸引防止。セックスコミック本ゼロ冊運動、有害玩具や刃物類の青少年への販売自粛要請といった有害環境の浄化を関係機関及び警察署と連携して推進する。
  • 「青少年の居場所」等を確保する取組の推進
    近年、青少年の非行や問題行動が深刻化する中で、「青少年の居場所」についての関心が高まっている。
    特に、青少年を巡る問題の解決に当たって、取締や規制強化という観点だけでなく、地域コミュニティにおいて青少年が主体的、積極的に社会参加し、生き生きと活動できるような環境の一つとなり、また地域において生活安全を確保するための活動の場を得られるような環境の一つともなる「青少年の居場所」等を確保するための取組みを推進する。

4.外国人を対象とした施策

近年、市内にも外国人が多数定住しており、十分に日本語の理解できない人々も多い。犯罪や事故に遭った場合の緊急避難対策や日常の生活安全対策についても啓発を推進する必要がある。

【施策】

  • 観光標識の増設
    市内の外国人に対して、4カ国語(日・英・ハングル・中)による観光案内図版、標識の増設を進める。
7.犯罪及び事故発生時の緊急体制の設備

市、市民、事業者、警察その他の関係機関が一体となって犯罪や事故を排除するという視点に立て、犯罪や事故を未然に防いでいくための活動を積極的に実施する。

さらに、地域住民や観光旅行者などの安全を確保するためには、犯罪や事故発生時に素早い対応がとれるよう緊急体制を整備することが必要である。いざというときの情報収集体制や通報システムなどの整備に加え、日常的に地域住民が相互の信頼関係を築き、連携を図っていることがもっとも効果を発揮することから、地域住民及び各種住民団体、近江八幡市、警察その他の関係機関の連携による緊急体制を整備する。

施策
  • 危機管理マニュアルの作成
    犯罪や事故が発生したときに、素早い対応ができるよう緊急時の対応に関する資料や緊急体制に関する情報を盛り込んだ危機管理マニュアルを警察その他関係機関と共同して作成する。
8.被害者などへの支援の推進

地域住民や観光旅行者が安心して生活し、又は、滞在することができる、誰もが安心して暮らせる地域社会を築いていくために、犯罪や事故に巻き込まれた被害者やその家族、さらには関係者などが受けた心の傷に対するケアなどの支援体制の確立、暴力事案などに対応できるよう専門家による相談窓口の設置などを進める。

被害者などへの支援については、地域住民及び各種団体、近江八幡市、警察その他の関係機関、さらには、NPOやボランティアなどが連携を密にし、一体となった活動を進める必要がある。

施策
  • 犯罪や事故に巻き込まれた被害者やその家族に対する支援体制の確立
  • 暴力事案などに対応できるよう専門家による相談窓口設置の推進

2:市民の取り組み

生活安全の出発点は、「自分のことは自分で守り、自分たちの地域は自分たちで守っていく」ということである。その意味では、地域住民及び各種住民団体が、お互いに連携を深め、一体となって、地域の実情に即した普及及び啓発活動を推進し、住民一人一人から地域全体に至るまで、幅広く、生活安全に関する知識を持ち、安全意識を高揚することが必要である。

また、地域における生活安全を推進していくためには、地域住民及び各種住民団体が、一体となって防犯や事故防止の活動に取り組んでいくことが必要である。具体的な活動としては、暴力追放運動、迷惑駐車や迷惑駐輪の追放運動、犯罪や事故発生危険個所の点検パトロールなどを実施することなどがあげられる。

さらに、住民は、常に身の回りの安全を点検するとともに、防犯や事故防止の視点を取り入れた住まいづくりに留意するなどの取り組みを進めることが望まれる。

家庭における取組

家庭においては、自分のことは自分で守ることを基本に、身の回りの安全点検に努め、防犯や事故防止の視点を取り入れた住まいづくりに留意するとともに、自分たちの地域は自分たちで守っていけるよう地域住民が相互に連携し、協力することが大切である。

生活安全の確保に関する知識の習得

地域における犯罪や事故を未然に防止するためには、市民一人一人が生活安全の確保に関する知識を持つことが必要である。そのためには、生活安全に関する講習会や研修会などに積極的に参加するなど、知識の習得に努めることが求められる。

地域ぐるみの活動への参加

地域における生活安全を推進していくためには、地域住民及び各種住民団体が、一体

となって防犯や事故防止の活動に取り組んでいくことが必要である。

従って、暴力追放運動、迷惑駐車、迷惑駐輪の追放運動、犯罪や事故発生危険個所の点検パトロールや児童、生徒の登下校当時の声かけ運動などに積極的に参加することが求められる。

また、活動を行うに当たっては、高齢者や青少年、女性がボランティアとして参加し

やすい環境づくりを進めるとともに、事業者を求めた幅広い活動となるよう取り組むことが求められる。関係機関・団体とともにそういったボランティア組織の創設について協議し推進に努める

3:事業者の取り組み

従業員への生活安全知識の普及及び啓発活動の促進とともに、地域の一員として、地域住民と一体となって活動に取り組んでいくことが必要である。

また、自らの事業活動に伴って発生することが予測される事故への安全対策はもちろんのこと、事業所の施設や設備の安全管理などに取り組んでいくことが求められる。

その他、有害図書や有害玩具、刃物類、酒、たばこといった青少年にとっての有害物の及ぼす影響を除去する取り組みを徹底するととに、観光旅行者が安心して観光し、又は滞在することができるための環境づくりを進める必要がある。

事業所及び事業活動における取り組み

従業員への生活安全知識の普及及び啓発を促進するとともに、従業員はもとより、近隣住民などの安全の確保を図るため、事業所の施設及び設備の安全管理、自らの事業活動の伴って発生することが予測される事故への安全対策の徹底が望まれる。

また、いううがい図書や有害玩具、刃物類、酒、たばこといった青少年にとっての有害物の及ぼす影響を除去する取り組みを徹底することが必要である。

地域住民と一体となった取り組み

地域の一員として、地域住民と一体となって、普及及び啓発追放運動、迷惑駐車や迷惑駐輪の追放運動、犯罪や事故の発生危険個所の点検パトロールなどの活動に取り組んでいくことがのぞまれる。

観光旅行者などの安全確保に関する取り組み

観光旅行者などが安心して観光し、又は滞在することができるための環境づくりを進めるためには、夜の繁華街の安全確保、旅館やホテルの防犯機能の強化、安全に関する情報の提供など、業界ぐるみでの啓発活動を進める必要がある。

第5章 計画の推進に当たって

  1. 生活安全施策に関する基本的事項については、諮問し、又は意見を求めるものとする。
  2. 生活安全施策の実施に当たっては、市行政と警察署が中心となって関係団体及び関係行政機関などと相互に連携、協力することにより、その円滑かつ総合的な推進を図るものとする。
  3. 毎年度、この基本計画に基づき、「実施計画」を策定し、生活安全施策の確実な実施に努めるものとする。

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 人権・市民生活課
〒523-8501 滋賀県近江八幡市桜宮町236番地
電話番号:0748-36-5881/0748-36-5566(市消費生活センター)
ファックス:0748-36-5553
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