教育長室から

更新日:2024年02月09日

ページID 8757

No.12 絵本の読み聞かせのススメ

教育長室から No.12

絵本の読み聞かせのススメ

近江八幡市教育長 大喜多 悦子

 

 京都府内に住む娘から、つわりで全然食べられずつらいので、子どもの面倒を見てほしいと頼まれ、3歳の孫を2日間みることになりました。普段からよくしゃべる女の子ですが、2カ月ほど会わない間に、言葉に変化がありました。
「きのう、・・・したとき、めっちゃいたかってん。」(昨日よほど痛い目にあったのかなあ?過去のことを話せるようになっている。バリバリの関西弁だなあ。)
「ママ、たいちょうふりょうで、おしごといくの、あきらめたみたい。」(体調不良?こんな言葉を知っているの?ママが会社を休んでいることを理解している。)
「じつは、・・・・」(何か、たいへんなことを打ち明けられるのかな??)
 後で娘に確認すると、孫にとっては、過去のことは何事も「きのう」であることや、ママの状況を体調不良という言葉で説明したこと、「実は・・・」のフレーズでパパが話すことがあることや関西弁の口調は、お世話になっているこども園の先生方に関係しているということが分かりました。孫のちぐはぐな言葉の使い方は本当にかわいいですが、子どもの言葉の獲得の速さや、周りの者の影響が強いことを改めて考えました。

 子どもは、おうちの方が語りかける言葉やまなざし、表情を全身で受け止め、言葉を覚えます。日常生活の中で、おうちの方が、あやしたり、しゃべりかけたり、ひとりごとを言ったりする数々の言葉や表情から、人間としての言葉を習得していきます。そして、言葉と一緒に、豊かな喜怒哀楽の表情や感情を体得して、人間らしい心が育っていきます。
 つまり、子どもは親や日常接している大人から言葉を受け継いでいくのですから、親や周りの大人は心のこもった豊かな表情や言葉で、語りかけてこそ、子どもも豊かな言葉と心を身につけることができます。家庭等でのこのようなコミュニケーションはたいへん重要だと考えます。
 そのような中で、身近に、美しい、楽しい、豊かな想像力を育ててくれる言葉がいっぱいつまった世界があります。それが、絵本です。
 絵本には、作家や詩人が、選び抜き、工夫した言葉で書かれた物語や知識の世界が広がっています。そして絵本には言葉だけではなく、すばらしい絵もあるのです。
 私は、離れて暮らしている娘や息子が、それぞれ自分の子どもに、幼少期から絵本を読んであげ、心豊かに育ててくれることを思って、毎月1冊ずつ3人の孫(3歳・5歳・小2)に絵本を届けています。

 ここで、昨年11月に出された読み聞かせや読書についての調査結果を紹介します。 

「小学生から高校生の読書に関する7年間の追跡調査」(東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査)が興味深いです。

  • 小学校入学前に保護者に読み聞かせをしてもらった子どもはその後の読書時間も長く、その効果は中学生まで残る。
  • 家庭的な背景によって読書時間が異なる。蔵書数が多い家庭、本を読む大切さを伝えている保護者の子どもほど、読書時間が長い。
  • 早い段階で読書習慣を身につけている子どもは、その後も長い時間、読書をする傾向がある。
  • 読書時間が長い子どもは理解や思考、表現などの活動について「得意」と自己評価する傾向がある。
  • 読書をしない子どもは、ニュースへの関心や自信、将来の目標などの肯定率が低い。

 つまり、読書量は、幼少期の読み聞かせが左右する。幼少期の読み聞かせや早期の読書習慣の形成が、その後の読書行動に大きく影響していることが判明した、と締めくくっています。

 現在本市では、「早寝・早起き・あ(挨拶)・し(食事)・ど(読書)・う(運動)」運動を強化しており、その中で「ど(読書)」の一環として、読書活動の充実・読書環境の整備に重点的に取り組んでいます。市立図書館が中心となって、学校、幼稚園・こども園・保育園(所)、地域の図書ボランティアや読み聞かせボランティアの方々、教育委員会事務局関係課、幼児課が連携・協働して推進しているところです。
 就学前施設に通う子どもたちは、それぞれの園で、日々保育士や保育教諭、幼稚園教諭に読み聞かせをしてもらっています。また、はちっこブック号ミニ(移動図書館車)の巡回があるときは、本を借りたり、地域ボランティアの方から読み聞かせをしてもらったりして、絵本に親しみ、楽しみにしている状況があります。絵本を手にしている子どもたちは、本当に笑顔にあふれています。そして、家に帰っても、おうちの方から読み聞かせをしてもらえれば、子どもたちにとっては最高に幸せな状況となるでしょう。
 読み聞かせは、親と子が共に居て、そのひと時の時間と空間の中に、絵本という歓びの世界を共有します。一緒に絵本を楽しむことで、コミュニケーションも増え、信頼関係が築かれ、子どもは親からの愛情を感じ取り、安心感を得られます。
 忙しい毎日ですが、絵本は5分程度で読み終わります。多くの保護者の方々に親子で楽しめる幸せな時間をつくってもらうことを願っています。
 

PDF版

バックナンバー

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 教育総務課
〒523-8501 滋賀県近江八幡市桜宮町236番地
電話番号:0748-36-5539
ファックス:0748-32-3352
​​​​​​​
メールフォームによるお問い合わせ