教育長室から

更新日:2022年12月01日

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No.7 思い出に残る絵本のひととき

教育長室からNo.7

思い出に残る絵本のひととき

近江八幡市教育長 大喜多 悦子

 

育休を終え仕事に復帰した長女が子どもを連れて、帰省しました。私が2歳の孫に絵本を読んであげる様子を見て、長女は自分の幼児の頃を思い出したようです。「小さいとき、寝る前によく絵本を読んでもらったなあ」と。彼女が5歳、二女が3歳の頃、就寝前の習慣として絵本を読み聞かせていました。三人で布団の中に入り、読んでとせがまれる絵本を読み、二人が寝ついた後、そっと布団から抜け出していました。昔話や童話も読みましたが、毎日というほどよく読んだ絵本が『からすのパンやさん』でした。彼女が覚えてくれていたことに、懐かしくもうれしい気持ちになりました。

また、中学校の先生から聞いた話として、ある本に書かれてあったことです。キャリア教育の一環として、授業で「ワークライフバランス」について考えることになりました。そのクラスでは、仕事についている母親が多く、生徒たちは小さいときから「お母さんはいつも忙しそう」と思っていたそうです。そんな母親との、幼いころの思い出で「楽しかったことは何でしたか」という質問をしたところ、「おしゃべりしながら保育園から帰ったこと」と、「絵本を読んでもらったこと」がトップ2だったということです。

どれも日常生活の一コマで、お母さんの手やからだのぬくもりが感じられ、声が聞こえる思い出です。特別なイベントや家族旅行ももちろん楽しみだったことでしょうが、幼い子どもにとっては、普段の暮らしの中で、お父さんお母さんと遊んだり、絵本を読んでもらったりする方が、ずっとうれしかったに違いありません。

帰り道のおしゃべりの内容も、読んでもらった絵本も一人ひとり違っていたでしょう。でも、どれもかけがえのない、その子だけの体験として、心に積み重なっていったのではないかと思います。

本市教育委員会では、今年度「早寝・早起き・あさ・ し・ど・う」の啓発・強化を掲げ、なかでも「読書」に重点をおいて取り組んでいます。

子どもたちが本に触れる機会を少しでも多くつくること、そして幼児期から小学生、中高校生、大人になっても、生涯本に触れる機会があることが大切であると考えています。

幼稚園、こども園、保育所においては、市の「絵本に囲まれて育つ推進事業」として、絵本を充実させ、保育士・保育教諭による読み聞かせ、絵本の展示の仕方を工夫してもらっています。

小中学校では、朝読書や朝の読み聞かせを充実させたり、興味関心が高い本や教科の学習に関連する本を廊下やコーナーに展示し、子どもたちがすぐに本を手に取れる環境をつくったり、学校司書や読書ボランティアさん等地域の方々の協力も得ながら取り組んでもらっています。そして図書館教育推進モデル校を指定し、学校図書館や図書を活用した授業づくりの研究・実践にも取り組んでいます。

また2年目となった市立図書館による移動図書館車「はちっこぶっく号」によるコミュニティーセンターや就学前施設・小中学校等への巡回による貸出は好評を得ており、貸出冊数が増加しています。特に子どもたちは、移動図書館車がやってきて、新しい本と出合えることを楽しみにしてくれています。

今年度からの新しい取組としては、「家読(うちどく)」を勧めています。就学前施設と小学校の保護者の皆さんに、「家読(うちどく)のおすすめパンフレット」をお渡ししました。「家読(うちどく)」とは、読み聞かせをしたり、家族で本を読んで感想を話し合ったり、好きな本をすすめ合うなど、本を通してコミュニケーションをとり、家族の時間を楽しむ取組です。

小学校ではPTAの取組として親子読書を推進したり、親子で読みたいおすすめ本のアンケートを実施し図書室前廊下に掲示したりするなど、取組を広げています。

子どもと一緒に本を読むのは貴重なひとときです。読み聞かせは子どもの興味、情緒的発達、言語能力を刺激し、人の声は親が子どもの精神状態を落ち着かせる最も強力な道具であるともいわれます。読み聞かせに限らず、「一緒の空間で」「一緒に同じ本を」「一緒に図書館へ」など、子どもと一緒に本を楽しもうという気持ちで、お家で読書(うちどく)をされる家庭が増えていくことを願っています。

本市教育委員会においては、今後も子どもが本を好きになり、読書習慣を身につける中で、豊かな心を育み学びの礎を確立していくことを目指して取り組んでいきます。

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